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1/16RC M4シャーマン (105mm榴弾砲搭載型)メカニカルステアリングシステム
強力なタイガー戦車を倒すには…只今、作戦妄想中。

Text/Kazuma NOMOTO

2025.10.06

性能で劣る非力なシャーマンに、浪漫を感じるお年頃

子どもの頃、自分だけの空想の世界では
アメリカ軍のM4シャーマンは残念ながら脇役だった。

プラモデルの箱に書かれた解説文だけが知識の全てだった自分にとって
史実ではドイツ軍を打ち破った傑作戦車だったとしても
圧倒的な火力を誇るタイガー戦車が主役だったのである。

ただ、空想から現実の世界で過ごすことが多くなると立場は逆転。
情報と知識が増えたことで、連合国軍を勝利に導いたという実績とともに
ブラッド・ピット主演の映画『フューリー』を経て、
今回新たに発売されたM4シャーマンのRCモデルにより、
M4シャーマンは一気に自分史上ナンバー1の推し戦車に登り詰めるのである。

1/16RC M4シャーマン (105mm榴弾砲搭載型)メカニカルステアリングシステム

歴戦の戦車たちをRC化したタミヤのRCタンクシリーズ。
履帯による走行や砲塔旋回など戦車ならではのギミックをRC操作で楽しめる
人気シリーズの最新モデルであるM4シャーマンは、実車の特徴ともなっている
機動性の高さを体感できるのが最大の特徴となっている。

クルマ的操作感を生む『制御差動式操向装置』

ここからは史実に基づく話として、M4シャーマンが傑作戦車として
数ある戦車のなかでも「最強」と呼ばれた理由は、その操作性の高さ。

当時、ドイツ軍をはじめ他国の戦車で一般的だった「クラッチ・ブレーキ式」のステアリングシステムに対し、M4シャーマンが採用したのが「クレトラック式」。

クラッチ・ブレーキ式が左右の履帯それぞれをブレーキ操作して、左右の回転差を作ることで旋回するという操縦技術が求められた仕組みに対し、クレトラック式はディファレンシャルギアを組み込んだ制御差動式操向装置がブレーキと同時に反対側を増速させてスムーズに旋回させるというもの。

当時としては画期的なメカニズムは、ブレーキへの負荷を軽減し故障を防ぐとともに、何よりも操縦が簡単。まるで自動車のステアリング操作の感覚で戦車を操ることができたという。

「メカニカルステアリングシステム」のモデル名は、その制御差動式操向装置のメカニズムを再現していることを表現している。RCタンクとして珍しいホイール・トリガータイプの送信機も自動車感覚での操作性を体感するための仕様。

実際の動きを見れば履帯走行を感じさせないスムーズさに思わず、
障害物や避けつつ遮蔽物に身を隠しながら敵戦車の側面を叩く…。

そんな戦地でのM4シャーマンの勇姿が思い浮かべてニンマリ。
空想から現実の世界に戻っても、やっぱり妄想を膨らませてばかりなのである。


↑(左)硬質プラスチック製の履帯は金属ロッドと金属コネクターで組み立て完成済。ドライブスプロケットはダイキャスト製。右)HVSS方式のサスペンションは内部に金属製コイルスプリングを装備してフル可動するなどリアルさを追求。


↑(左)鋳造肌もリアルな砲塔。砲塔上面左側のローダーズハッチは開閉可能、右側キューポラの車長用ハッチは開閉選択式。右)M2重機関銃は本体はもちろん、弾薬箱トレイに別パーツの弾薬箱をセット。M1ヘルメットを着用し、戦闘シーンを意識した人形も付属。


↑ホイール・トリガータイプの送信機付き2chメカは別売。RCメカ搭載により、前後進と左右緩旋回の動きをRCカーモデルと同様にコントロールして楽しむことができる。

1/16RCタンク M4シャーマンの操向装置を動画でチェック!

株式会社タミヤ

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