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ミサワホームによって建設中の世田谷ベース。建物は1階がRC造で、2階は木質パネル工法。足場とカバーがつけられているものの、うっすらとそのシルエットが伺える。ヒトの大きさと比べても、この建物がかなりデカイということが想像できるはず。
世田谷ベースの2階部分。ここは所さんのスペースと事務所スペース、そしてジムスペースにする計画。奥は階段スペース。なんと、この2階部分はあらかじめ製作されたパネルをわずか1日で組み立てたのです。
完成したばかりの世田谷ベース内部。1Fはガレージで、2Fは予定通りオフィス兼トレーニングスペースに。
青空、白い建物、赤いライン、ブルーのロゴ。何より建物の形がとてもいいのです。
 
ロードローラーが砕石をならして、これからいよいよアスファルトを敷いていく作業。
畑になる部分に土を入れていきます。広大な土地なので、トラックや重機が何台も作業していく様子は圧巻。
コルベット、コブラ、カマロ、ロードランナーと4台のクルマが格納される世田谷ベースでは、自動車工場なみの排気ダクトを2機設置することに!所さんが選んだのはヤマダコーポレーションのスウェーデン製排気ダクト!これで排ガスも室内にコモらないのです。
 さて、完成した世田谷ベースのディティールで魅力となっている部分は色々とありますが、入り口部分から説明すると、まずはアメリカの基地そのままのイメージを持つスチールのゲートがスゴイッ!世田谷の高級住宅地に突如現れるこのゲートは、なんと鉄条網まで張り巡らされるという徹底ぶり。ここに「KEEP OUT」の看板をつければ、もう完璧といった感じ。
 また、建物に通じる滑走路部分は、両サイドをブロック塀で仕上げているのですが、その上部分をカマボコ状にモルタルで丸く仕上げています。これも世田谷ベースならではのこだわり。アメリカの塀には、こうしたスタイルが多く見受けられるということです。
 そのほか、所さんがアメリカから輸入してきたホンモノの黄色い消火栓や、「ハイボルテージ」とペイントされた電柱も、建物と本当によく似合っています。(下の「トコロでこだわる!」をご覧ください。)
 アメリカの簡易飛行場をイメージしてプランニングされた、この世田谷ベースは「日本にいながらアメリカ」が体感できる、とても楽しい空間なのです。
 作業中、何度となく現場を訪れた所さんも、その仕上がり具合をかなり気に入っていた様子。また、職人さんの背中にサインをしていた光景がとても印象的でした。いや、これ、アメリカ空軍に基地のひとつとして認めてもらいたいくらい完成度が高いのです。

6月13日 第一回目の打ち合わせから
「向こうの田舎の滑走路って
土とアスファルトの感じがイイ!」

所さんのオフィスにて

石川:はじめまして。デザインを担当させていただきます、パシフィック・ファニチャー・サービスの石川です。今日はガレージのイメージっていうか、こんな感じかなっていう写真を持ってきたので、ちょっと見てください!
所:おっ、この滑走路いいね!
石川:これは、沖縄にある嘉手納基地の道路なんスよ。普段は普通に道路として使ってて、緊急の場合は飛行機も着陸できるっていう……
所:あー、なるほどね!
石川:で、向こうの田舎の滑走路とかって、みんなこんな感じなんスよ。土の上にそのまんまアスファルトが盛ってあって、黄色い缶スプレーとかでいい加減にラインが引いてある。アスファルトも両脇が自然にボロボロになってて、その間に草が生えてきちゃうみたいな。
所:うん、イイネー、コレ!
石川:要するに、カリカリのエアフォースじゃなくて、向こうの民間の郵便飛行場みたいな。そこになんか木造のガレージがあるみたいな……。そんな感じがいいかなと思って!
所:面白いねー。こういう、なんか古ぼけた蛍光灯みたいな感じ、好きだなぁ。なんかサスペンスが始まりそうでとってもイイ!
石川:世田谷でガレージっていうと、まあ超高級なRCでデデーンって感じですけど、壁も、ガレージドアも、木で、なんですかねぇ、古くなってハゲてきても、それでいいじゃん!みたいなノリですかね。敷地の入り口の門とかも、網とパイプを組み合わせたやつがいいですよ。なんか簡単なスチールのやつ。
所:イイネ。素晴らしい!
石川:スイッチとか配線とかも、あえて、スチールパイプのむき出し。向こうの消防署なんか、白い壁に赤いスチールパイプで配線してあって、これがなかなかカッコイイんですよね。
所:イイね! スイッチなんかももうオーソドックスな上下のオンオフのやつがいいよ。同じとこ何回も押すやつは壊れるっつーの。
石川:中の間仕切りなんかも、もうブロックの積み上げでペンキ塗っちゃえばいいかなって。
所:イイネ。あと、レース用の窒素ガスをくくりつける柱が欲しいな。あれ、どうかするとロケットみたいに飛んでって、エライことになるのよ……
石川:なにするんですか?
所:えっ知らない? あれ、タイヤに入れとくと空気減りにくいんだよね。
石川:あー、分かりました。2週間時間ください。図面書いてきますから。
所:ウ〜ン! 楽しみ!
まさに、アメリカの小さな民間飛行場といったイメージの、世田谷ベース完成予想図。一階はRC造で二階がミサワホームの木質パネル工法を採用。シャッターの色などはこの後いろいろと検討された。ポイントは、均等に配置された小窓。引き違いではなく、FIXか突き出し窓にしていることが重要。所さんも「うーん、イイネ! やろう!」と太鼓判だった。軒もあとづけではなくてコンクリートで作っちゃう。そこに蛍光灯をつければOK。ガレージはひとつのガレージドアに2台クルマが収まる仕組み。横のドアは、2階への入り口。
 
ペイントにこだわる

室内の塗料は、パシフィック・ファニチャー・サービスの石川さんがこだわった、アメリカ製のベンジャミンムーアというブランド。低VOCのためか、シックハウスはもちろん、まったく臭いが気にならない。しかも色合いがいい!
ゲートにこだわる

門ではなく、これはゲートですね。歩兵を立たせておくといいかも知れません。鉄条網を張り巡らせて、上からは監視カメラがキラリッ!
ガレージドアにこだわる

ガレージドアは三和シャッター社製の木製ガレージドア。アメリカ、ジーニー社製のモーターで駆動し、高速でガレージを開閉させます。
電柱にこだわる

「2回のオフィスから景色を見たときに、この電柱があるとホントにいいよね。ウン、景色が楽しめるよ」とは所さん。文字は基地っぽくステンシルにしています。これがベース内に3本。
照明にこだわる

ガレージの照明の位置は、軒の真ん中よりもちょっと奥!というのがミソだとか。
消火栓にこだわる

黄色い消火栓は、アメリカから所さんが空輸したもの。ひとつ70キロもあって、税関を通すのがたいへんだっとか。これ、かなりデカいです。さすがアメリカものです。
塀にこだわる

塀はシンプルなブロック塀。でも、支え部分の長さと高さ。そして上部の仕上げ方法が世田谷ベース流。ご覧のように職人さんのコテ作業。