西海岸最大の旧車レース団体「VARA」で見かけたDUTSUN 710

1973年に設立されたVARA(ヴィンテージオートレーシングアソシエーション) は、西海岸最大の旧車レース団体で、第二次大戦後から1980 年までのスポーツカー、GTU やF1など様々なカテゴリーで形成されている。今回はレースの他に日本車のカークラブが自慢の愛車を披露するAll-Japan Showdown と名付けられたカーショーも同時に開催されていた。この日レースにエントリーしていたクルマの中でも最も目立っていたのがご覧のDUTSAN710。カリフォルニアのサーキットにおいて、510 は割とポピュラーな車両だが、710 でレースをしている人はほとんど見かけたことがない。

オーナーのジョナサンは約15年前にネットオークションでこの710 を発見し1万4千ドルで購入。その後一度クラッシュしてしまったので、オリジナルペイントではないが、以前の塗装と同様に当時のドライバーであるディック・ダペンポート仕様のカラーリングに仕上げている。

元々ポルシェ911 でサーキットを走っていたが、車体も大きくパワーがありすぎるため自分なりにコントロールが上手くできなかったそうだ。しかしこの510に乗り始めてからというもの、あまりにもドライビングが楽しく他のクルマではレースをしなくなってしまったそうだ。ちなみに、彼のガレージにはポルシェ964、280ZX、1989年のトランザムシリーズやフォーミュラ5000 の出場車両も収まっているのだとか。一番のオキニ、710のレースカーをじっくりご覧あれ!

根っからのクルマ好きで何台ものレースカー所有。本業はアリゾナ州フェニックスを本拠地とする航空会社のCEO。時間を見つけては各地のサーキットで自慢の愛車を走らせる。

メーター類はオートメーター製がセットされ基準に適合したロールケージが張り巡らされた車内はスパルタン。日産のウルトラクロスミッションが搭載されている。

エンジンは元々積まれていたL18から2リッターのL20Bに変更済み。メカニックResの手によってカリカリにチューニングされ約210馬力を発揮する。

ヴィンテージのアルファロメオやBMW2002などとバトルが繰り広げる710。ボディーカラーはリペイントされたものだが、雰囲気はまるで70年代レース場にタイムスリップした気になってしまう。

text&photo:Yas TSUCHIYA

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