
【Daytona狩猟部】Vol.04:五反田の老舗に学ぶ、一生モノの「相棒」と「安全」の作法
都会の真ん中で、山の息吹に触れる。
JR五反田駅から徒歩数分。ビジネス街の喧騒の中に、その「聖域」はあります。「オザワ銃砲店」。
扉を開けると、そこには整然と並ぶ銃器と、使い込まれた道具たちが放つ独特の静謐な空気が流れていました。
「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれたのは、3代目店主の福田さん。今回は、僕らDaytona世代が狩猟の世界に足を踏み入れる際、必ず通るべき「銃砲店という名の羅針盤」についてお話を伺いました。
「猟・競技・カスタム」――オザワ銃砲店のアイデンティティ
筆者: オザワ銃砲店さんを一言で表すと、どのような特徴を持ったお店でしょうか?
福田店主: うちの特徴は、一言で言えば「トータルバランス」ですね。どちらかと言うと狩猟で足を運ぶ人が多いですが、クレー射撃などの競技、そして特に初心者に優しく、銃の「長所」から「短所」までしっかり説明し、幅広くサポートしています。五反田という場所柄、都内にお住まいの「こだわり」を持つお客様が多いのも特徴かもしれません。
筆者: 福田さんが今、個人的に最も惚れ込んでいる「本気の一挺」を教えてください。
福田店主:うーん….沢山有りすぎて選ぶのが非常に難しいですがどうしても言われたら「BROWNING BAR MK3」ですかね。
この流麗なフォルムと、射撃時の安定感。メカニックとしての魅力が詰まった、まさに機能美を体現したような一挺です。

写真:「BROWNING BAR MK3」
今ならこれですね。スペックもさることながら、この「構えた時の吸い付き」を見てほしい。数字では測れない、職人の息吹が宿った一挺です。
話の流れで、店舗にある秘蔵の一品をお見せしてもらいました。
年代物の秘蔵品、「村田銃」今も現役の銃ではあるが、残念ながら非売品とのこと。


今も現役の銃という事にビックリ!?<写真:明治22年製>
若手ハンターへ:スペックよりも「感覚」を信じろ
筆者: 最近のYouTubeなどで「単独忍び猟」に憧れる若者が増えています。彼らが来たら、まずどの銃を進めますか?
福田店主: ミロクのMSS-20のボルトアクション式散弾銃ですかね。スコープを付けて命中精度も上げられますし。

写真:ミロクMSS-20
昔は、ハーフライフルなども命中精度がありオススメしていたが、現在はすぐに所持ができない。(今は規制があり初心者は所持不可)
憧れを持つのは素晴らしいことです。ただ、最初の一挺を選ぶときは、スペック表の数字よりも「自分の手に馴染む感覚」を大切にしてほしい。重さ、バランス、引き金を引く感覚……。自分の体の一部になるものだからこそ、理屈抜きで「これだ」と思える感覚を信じてほしいんです。愛着が湧かないと長続きしないですからね。
筆者: 銃所持までのプロセスで、皆さんが一番つまずきやすいポイントはどこでしょう?
福田店主: やはり「取得までの期間」「書類の煩雑さ」と「警察とのやり取り」ですね。でも、そこを乗り越える覚悟があるかどうかも、銃を持つ資格の一つだと思っています。私たちはそのプロセスを伴走するパートナーでありたいと考えています。
筆者: 最初の一挺を選ぶ際第1回で「安全第一」を掲げたのですが、プロの目から見て、自宅での保管で絶対に守ってほしい鉄則は何ですか?
安全第一:銃は「重い鉄の棒」であれ
筆者: 第1回で「安全第一」を掲げたのですが、プロの目から見て、自宅での保管で絶対に守ってほしい鉄則は何ですか?
福田店主: それはもう、「銃と弾を完全に分けること」、そして「ガンロッカーの固定」です。当たり前のことですが、これがすべて。猟場での脱包確認、猟から帰ってきて疲れていても、銃をロッカーに収める際の脱包確認、チェーンをかけるまでが猟なんです。銃が「ただの重い鉄の棒」として安全に眠っている状態を、どれだけ確実に作れるか。それがハンターの品格です。
筆者: 良いハンターの共通点は?
福田店主: 「臆病な人」、「先を読める人」過信せず危険を察知する人が結果として猟場の近隣の方や、猟の仲間に迷惑をかけない。力量をわきまえて精進していくのみ。近道な事はない。

写真:気さくな3代目代表の福田さん
編集後記:五反田で手に入れた「名脇役」
福田さんに「1万円以下で買えるお勧めの名脇役ギア」を伺ったところ、山内式負環、上下二連、水平二連、エアーライフルなど、スリングを取り付ける金具が付いていないものに取り付けるギア。銃床部に別売の兼用台尻カバーを着けることで、銃に穴を開ける事がなくスリングを取り付けることが可能になる。

写真:山内式負環
逆に狩猟をしていない人には、Berettaのバックルや、Berettaのリストバンド反射板など普段お目にかかれないアイテムも取り揃えていました。
今まで格好良かった銃の下り、「イサカM37」 (Ithaca Model 37)のポンプアクションのオールドスタイルで味があってカッコイイ昔の映画に出てくる、丸みを帯びたフォルムがたまらない。

写真:イサカM37(イメージ)
ベトナム戦争時に米兵がプライベートでもっていったと言う逸話
実は今回の取材、前回フリーズしたGoProのリベンジを兼ねていたのですが……
福田さんの話が面白すぎて、ここで語り尽くせない話が沢山聞けました。
結局カメラを回すのを忘れて聞き入ってしまいました。
でも、それでいい。
機械が記録する映像よりも、僕の胸に刻まれた言葉の方が、これからの猟期を豊かにしてくれるはずだから。



<写真:店内のガラスケースには普段目に触れない商品の数々>
個人的にカモを回収する際のフックのウキが欲しかったです。
初めて足を運ぶ際はドキドキをする気持ちは私もよく分かりますが、
実際に足を運んで見ると、疑問に思ったこと困った事など親身になって相談に乗ってくれる親切な店主がそこにいます。
代が変わっても地元に根付いたお店の歴史がそこにありました。
※今回はセキュリティーの観点から店内の実銃写真は極力行っておりません。
(文・写真:Daytona狩猟部 編集部)
■店名:オザワ銃砲
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田2丁目30ー9
電話番号:03-3492-1578
営業日が不定期になる事があるので、来店する前に事前に連絡をしていくことをオススメします。





