
【実録】1960年代の名車が電気で蘇る!Eセドリックで行く白馬600kmの「充電」大冒険
「旧車に乗りたい、でも環境も気になる。それなら電気で作っちゃえ!」 そんなデイトナ的遊び心から生まれた改造EV(コンバートEV)『Eセドリック』。
2019年、この1964年製の日産・セドリックをベースにしたカスタムEVで、横浜から長野県白馬村で開催される「JAPAN EV RALLY Hakuba」を目指した。片道約300km、往復600kmの道のり。今でこそEVは珍しくないが、当時はまだ充電インフラも過渡期。果たして、無事に辿り着けたのか?
朝7:00 横浜を出発。旅の鍵は「急速充電」
今回の旅の相棒は、パステルブルーのボディが美しいEセドリック。見た目は完全にクラシックカーだが、中身は最新の電気モーター。 「エアコンなし、窓全開」という旧車本来のスタイルを維持しつつ、朝7時に横浜を出発した。
最初の関門は急速充電だ。 50%のバッテリー残量で圏央道・厚木PAに到着 。 「自分で急速充電をするのは初めて」という緊張の中、パスワードを入力し、充電コネクターをセドリックのテールゲートにある給電口へ接続 。 ガコンという音とともに充電が始まると、そこには旧車と最新設備が融合した不思議な光景が広がった。
絶景の高速クルーズ、しかし忍び寄る「充電の壁」
圏央道から中央道へ。車内には懐メロが流れ、排ガスの匂いもしない快適なドライブが続く。 「晴れてるし、最高だー!」


談合坂SAで2回目の充電を済ませ、甲府盆地を抜ける頃までは順調そのものだった。
しかし、双葉SA付近から雲行きが怪しくなる。 なんと、設置されている充電器が「ジャパンチャージネットワーク」のカードに対応しておらず、ビジター登録が必要に。さらには、30分待ってもわずか「0.37kWh」しか充電できないというトラブルが発生 。 急速充電器とはいえ、相性や出力の個体差に振り回される、EV旅の洗礼を受けた。
弱気がよぎる夜の山道。果たしてゴールは?
「これ、本当に辿り着くのかな……」 高速を降り、日産ディーラーをハシゴしながら繋ぐ旅。あたりはすっかり暗くなり、当初の楽観的な雰囲気は消え、スタッフの間には焦燥感が漂い始める。急速充電はまだテスト段階、この旅は無謀だったのか?
だが、諦めずに松本から白馬への山道を登り切り、20時30分。 ついに、白馬のホテルへ無事到着した。
結論:不便を楽しむのが「デイトナ流」
横浜から白馬まで、合計5回以上の充電を繰り返した13時間の旅。 最新のEVなら一度も充電せずに着けるかもしれない距離だが、Eセドリックで挑む旅には、数値では測れない「冒険」があった。
不便さを面白がり、トラブルを笑い飛ばす。 そんな「遊びの本質」が詰まったEセドリックの旅。翌日のEVラリー本番では、どんな走りを見せてくれるのか?



編集後記:不便を笑う、大人の余裕
今回の特集、1964年製セドリックをEV化した「Eセドリック」での白馬往復600kmの旅はいかがだったでしょうか。最新のEVなら「いかに速く、快適に」が語られるところですが、このクルマが教えてくれたのは、その真逆にある「不便を楽しむ」という贅沢でした。
横浜から13時間、合計5回以上の充電を繰り返しながら繋いだ道中。 途中で充電器との相性に悩み、夜の山道で焦燥感に駆られるシーンもありました。 しかし、排ガスの匂いもしない静かな車内に懐メロを響かせ、窓全開で白馬の風を浴びた瞬間の高揚感は、効率化だけを求めていたら決して味わえない「冒険」そのものでした。
世田谷ベースを筆頭に、デイトナがずっと追いかけてきたのは、こうした「遊びの本質」です。 1960年代の名車に最新のモーターを積むという、一見無謀な挑戦。 そこにある試行錯誤やトラブルを笑い飛ばせる余裕こそが、大人のガレージライフには必要なのではないでしょうか。
Daytonaが積み上げてきた35年の歴史。そこには、いつの時代も変わらない「大人の本気」が詰まっている。現在、その軌跡をヒントに新たなチャレンジ企画を模索している真っ最中だ。皆さんのガレージライフがもっと面白くなるような仕掛けを、毎日あーだこーだと練り上げているのである。
編集部ケンボー





