
工場爆破から会社を救ったのは“ヒゲ剃り”!? 異端の歴史を紐解く「Bang & Olufsen 100周年記念展」
洗練された北欧デザインと極上のサウンドで、常に俺たちのライフスタイルと物欲を刺激し続けるオーディオブランド「Bang & Olufsen(バング&オルフセン)」。その100周年を記念するエキシビション(4月1日開催)に潜入してきた。
今回は特別に、B&Oの書籍制作に携わった編集者の方にブースを案内してもらったのだが、そこで語られたのは「お洒落な高級オーディオ」というイメージを根底から覆す、あまりにもハードコアなブランドの裏面史だった。
始まりは、筋金入りの“メカ好きガレージボーイ”
B&Oのルーツは、創業メンバーの一人である青年に遡る。彼は幼少期から自宅に電話や車があるような裕福な環境で育ったという。幼い頃から最新テクノロジーに親しんできた彼は、アメリカへと渡り、そこでラジオというメディアの巨大な可能性を目の当たりにする。
「これからはラジオが世界を発展させる」。そう確信した彼はデンマークへと戻り、もう一人の相棒とともにメーカーを立ち上げた。いわば当時の最先端ガレージベンチャーのノリだ。
焼け野原の工場。オーディオメーカーが「シェーバー」を作った理由
なぜ、世界的なオーディオメーカーがヒゲ剃りを作っていたのか?
その背景には、第二次世界大戦という過酷な現実があった。当時、デンマークはナチスの占領下におかれる。しかしB&Oはそれに屈することなく、なんと会社ぐるみでレジスタンスとして徹底抗戦したのだ。その結果、彼らの工場は爆破されてしまう。
しかし、今回の展示で最も注目すべき、そして最も古いプロダクトは、スピーカーでもラジオでもなく、なんと「電気シェーバー」である。

戦後の物資不足で材料が手に入らず、本業であるスピーカー等の生産は完全にストップ。絶体絶命の危機の中で、彼らは会社を存続させ、従業員を養い、そして工場を再建するための資金を稼ぐべく、この電気シェーバーを作り始めたのだ。彼らはこのシェーバー生産を約10年間も続け、見事に会社を立て直してみせた。
激動の時代を生き抜いた「タフな美学」
展示では他にも、現在のEUの礎となるローマ条約が結ばれた1970年代の激動のヨーロッパなど、時代ごとの歴史とプロダクトの変遷を知ることができる。
美しいアルミの削り出しや、魔法のような操作感。B&Oのプロダクトが放つあの圧倒的な存在感の裏には、侵略者に立ち向かう反骨精神と、ヒゲ剃りを作ってでも生き残るという“したたかさ”が隠されていた。
単なる高級オーディオではない。モノの背景にある熱いストーリーや、ブランドの骨太なDNAを愛するDaytona読者なら、間違いなく胸が熱くなる100周年記念展である。



写真中央「当時のレコード」

映画「プラダを着た悪魔」にも登場した、あの電話!!



フェラーリーのデザインがされているスピーカー



玉川堂の見事な刻印、これから日本から海外に展開していく、一足先にお披露目★






新旧のラインナップが勢揃い、中々見れないレアな逸品も!?
Bang & Olufsen 100周年記念展
「Beautiful Sound and Design – バング & オルフセンが紡ぐ美しい音とデザインの100年」
会期|2026年4月3日(金)~4月12日(日)
開館時間|11:00–19:00(最終日のみ17時まで)
入場料|無料
会場|表参道ヒルズ B3F スペース オー
主催|バング & オルフセン ジャパン
BANG & OLUFSENについて
Bang & Olufsenは1925年にデンマークのStruerでPeter BangとSvend Olufsenによって創立されたブランドです。二人の創立者の情熱とヴィジョンは現在でも色濃くブランドの礎となっています。創業当時より、 Bang & Olufsenは革新的なオーディオ・ビジュアル製品と音響技術の開発を続けています。今日に至るまで Bang & Olufsenの大切な製品価値は一貫して美しいサウンド、タイムレスなデザイン、そして比類なきクラフツマンシップです。革新的で前進的なプロダクトは世界中のBang & Olufsenのストアや一般販売店にて販売されています。





